川越ニューサウンドからアルバムデビューを飾るニューアーティスト・關伊佐央とは!?

KNS2017-08-03

当レーベルも本格始動して丸7年が経過、そして8年目にしてまたひとつ夢の実現が為されようとしています。
なんと今年のCDリリースは私こと代表庭野が制作に関わっていません!
混じりっけ無しのニューアーティストによるファーストアルバムがめでたくこのレーベルからリリースされます!
まるで他人事のようです、というか他人事です。
何の得も無いこんな弱小レーベルから自分の初のアルバムを出そうなどとはとても正気の沙汰とは思えません。
そんな奇特なミュージシャン・關伊佐央(せきを關とする辺りからその癖の強さは相当なものであると想像できるでしょう)とは、果たしてどんな音楽家なんでしょう?
彼との出会いはもうかれこれ10年以上前になります。
その頃彼はRed Chimneysというバンドで活動しておりました。
ボーカル、ギターの關君のマイクの傍らにはカオスパッド
ときおり自分の声にエフェクトを重ねたりマイクをドラムに向けてループを作ったりと、私が出会った頃にはすでに2人組になっていた彼らの演奏は色々な意味でソフィスティケートされており、生まれながらの都会っ子の私にもかなり刺激的であったと記憶しております。
その後も付かず離れずな間柄で彼の(これまでのバンド活動とは真逆にあるような)ニッチな企画に参加したり(ベックがやっていたアルバム一枚を1日でカバーする録音企画を真似てエルヴィスコステロのファーストアルバムをカバーしたり・・・)、彼のライブ演奏にサポート(エフェクト)で参加したり、あと仙台に日帰り旅行したり・・・そして何を隠そう、当レーベルから2011年にリリースしたmetaphoricのinitiative sense plansに即興演奏素材(声、サンプラー)を提供してくれているのでした。
そんな彼がソロ名義でアルバムを制作していると聞いたのは去年のこと。
そしてそのアルバムを川越ニューサウンドからリリースしたいとう話を持ちかけられたのでした。
正直、この子は一体なにを言っているんだろう?私は彼を目の前にして戸惑いを隠すのに必死でした。
だって、こんな世間的には実在していないも同然のインディーズレーベルの(レーベル名を◯で囲んだだけの判子のようなダサい)ロゴを自らの作品に刻印させて欲しいと言うのですから、こちらとしては困惑するのは至極当然じゃないかという心持ちでした。
と同時に私の頭の中の悪魔が囁くのです。
おい!代表・庭野!俺だよ!悪魔だよ!
丁度いいじゃないか?どうせ今年はろくに曲も作らずにネタも尽きてたんだろう?年1枚CDをリリースするっていうお前が勝手に立てた公約もこれで果たせるってもんじゃないか?しかも自分は一銭も使わずにだぞ!こんなしょうもないクソレーベルでも続けることに意義があるっていうんなら他人の回しで相撲でもとってみやがれこの似非代表!
気が付くと私は彼の作品リリースを承諾しておりました。
そんな私の浅ましくも卑しい思惑はさておき、発売日もほぼ決定して作品もマスタリングが終了。
そして出来立ての音源が私の元に届いたのは7月の終わり頃でした。


という長ったらしい前置きを経て、10月に発売予定の關伊佐央のファーストアルバムDocument || Statementを一足先に聴かせていただいた私の所感を書かせていただきます。


ここにある音楽は100年先の音楽をも予見した現代ブルースである。


アコースティックギターコントラバス、ドラムによるアコースティックセットDocumentサイドとエレクトリックギター、エレクトリックベース、ドラムを全て彼一人で多重録音したエレクトリックセットStatementサイドの2部構成による關伊佐央の美学が詰まったソングライティング作品集は当たり前になったポストプロダクションもさらりとこなし、再び彼のソフィスティケートされた感覚が呼び起こされたポップスアルバム。
前半はマッカートニー&レノンに武満徹が加わったトリオか!?後半はトムヨークと小山田圭吾ビョークの影が迫りつつある!?
つまりは癖の強そうなミュージシャンが集まったのに上手いことシンプルでポップな作品が出来た!みたいな!


21世紀もブルースの100年になるのか?


何かを補完するべくして生まれた關伊佐央のファーストアルバムDocument || Statementは10月発売です!