<Apple Music配信開始記念>ジャケットデザインで振り返る川越ニューサウンド〜あえて名盤ジャケットと徹底比較してみよう!


metaphoric - confirmed lucky air
プレス盤リリース1作目はmetaphoricの2ndアルバム。デザイナーから図案が送られてきて想起したのは武満徹の図形楽譜(いきなり比較対象が楽譜ですがちゃんとレコジャケに使われております)。盤面の図案と並べるとこの通り。この図形楽譜は武満氏にまつわる展覧会で実物を観ました!杉浦康平との共作だけあってデザイン性も高いのでどうにか入手できないかと長いこと思ってますがこのアルバムのおかげで多少その欲求が中和されました。
武満徹 - 武満徹の音楽1(LP)


metaphoric - initiative sense plans
metaphoricの3rdアルバムは顔ジャケです。ミュージシャンなら一度は作りたい顔ジャケです。ソロ作品じゃないのに自分の顔写真をデザイナーに送りつけ、この顔をメチャクチャにして欲しいとお願いしました。欲を言えば裏ジャケをメンバーの佐々木くんの顔にしたかったです。細かい拘りですが、写真のみでタイトルなど文字は無しにしました。最近ふと部屋に転がっていたこのCDを遠目に見て「あれ?ダンサーインザダークのサントラって持ってたっけ?」と見間違えたのでとりあえず並べてみました。あと私の中で顔ジャケ1位はエイフェックスツインのこの作品で、同じくらい見る度にゾッとするのはマイルスデイビスのTUTUです。
Bjork ‎– Selmasongs
Aphex Twin ‎– ...I Care Because You Do
Miles Davis - TUTU

Takayuki Niwano - Surroundly
代表庭野の1stアルバムはサウンド面も含めプロトタイプ感を出したかったので何か分からないけど何かの表面にしてほしいとデザイナーにお願いしたのを覚えています。未だに何の表面かわかりませんが、三角といえばコレしかないですよね!
Pink Floyd ‎– The Dark Side Of The Moon


DENNIS DENIMS - DENNIS DENIMS
レーベルを続けるにあたってデザインや音の制作などにいろいろな人を巻き込みたいと思っていた所に声をかけてくれたのがsonny+starcutsの堀口氏と佐山氏でした。コンセプトの取り決めやプロダクションもスムーズに進んで気付いたらアルバム一枚分曲が出来上がっていました。私はスタジオや家でギターを弾いてボソボソと歌っていただけなのですが、二人の編集スキルが見事に発揮された希有なサウンドスケープになりました。デザインも彼らつながりの方に依頼。エレクトロニカな感じではなく、サイケ・オルタナな感じでお願いしました。サウンド同様にコラージュ感のある仕上がりでポップさも相俟ったこのジャケットですが、似ている物がありそうで無い!なんというオリジナリティ!ということで見開きでご覧下さい。強いて挙げるならレッドツェッペリンのこのアルバムでしょうか。実はそれ以前に思い出したのがすかんちのベストアルバム。個人的にはすかんちツェッペリン(元ネタ観てびっくり)です。ちなみに私の3大ギタリストはジミーペイジ、ローリー寺西イングヴェイマルムスティーンです。
Led Zeppelin ‎– Led Zeppelin III
すかんち - SWEETS〜BEST COLLECTION

Takayuki Niwano - Elektricity
庭野2ndのテーマは電気。このころ日本のダヴィンチこと平賀源内に興味を持っていてエレキテルの本とか読んでたのでその影響が強いのですが、その辺の話をしてデザイン案を待っていたらこんな分かりやすい絵が送られてきたので思わず柏手を一つ打って即OKしました。よく観ると雷の横にエレキテルらしき箱が飛んでいます。雷ジャケはハードロック界隈に石を投げればいくつかの作品に当たりそうですが、私の中ではこれしか思い浮かびません。ていうかラフを観た瞬間もうコレじゃん!って思いました。ちなみにホワイトノイズはバンド名にノイズと入ってますがイギリスのラジオ局で働くサウンドマニアたちが実験音楽スタジオで夜な夜な作り上げたサイケデリック/ストレンジポップスです。あえぎ声がコラージュされてるあたりモンドミュージックとしても十二分に機能しそうですが、90年代のモンドブームではお見かけしなかったですね。ならば僕はどこでこの作品を見つけたのでしょうか。。
White Noise ‎– An Electric Storm

DENNIS DENIMS - livetourism
デニスデニムスの2ndはこの頃メンバーとして加入したイラストレーター/映像作家でもある高安君が担当しました。素晴らしい森ジャケ!文字のデザインは当時リーダーの堀口氏がファクトリーレコード作品のデザインでも有名なピーター・サヴィルを例に挙げたりして拘ってくれた為、こんなカッコいい感じに仕上がりました。森ジャケも沢山ありそうですが、私が思い出したのはデヴィッドシルヴィアンのこの作品。日本のアニメを代表するあの作品のあのシーンを思い浮かべてしまうので私だけでしょうか。。関係あるのか無いのか、このアルバムには大友良英を始め当時即興シーンで活躍していたミュージシャンが何人か参加しており、ジャケットデザインや使われている絵も日本人の名前がクレジットされています。
David Sylvian ‎– Manafon


リバーシブルデザイン>



Takayuki Niwano - Beatifically
今年の最新作は庭野の3rd。レーベル開設以降初めてジャケットも自分でデザインしました。で、行き着いたのがホワイトアルバム・・これもミュージシャンなら一度は作りたいやつでしょ!ビートルズのそれとは微妙に違うかもしれませんが、白地に文字だけっていうことでこれを差し置いては語れません!レーベルのカタログ的にも黒が続いたので今回は白かなと。近いジャンルの白ジャケも数点並べておきましょう。白でシンプルにした反動でCDは全部を裏返すとカラフルになるリバーシブルジャケット仕様となっております。裏ジャケの素材は左から、家にあったフライパンの裏の柄、個人的に収集している印刷所の試し刷りらしき紙、ファッション誌の写真を切り抜いて繋ぎ合わせたコラージュです。
The Beatles ‎– The Beatles
The Future Sound Of London‎ – ISDN
Ryoji Ikeda ‎– +/-
Hecker ‎– Articulacao