關伊佐央 Isao Seki

New Artist !!!


1979年生まれ。
2004年、バンド"The Red Chimneys"として東京都内でライブ活動開始。
2007年解散。バンド解散と前後して、イベント団体”Black Box"を立ち上げ、暫くイベンターとしての活動が主となる。
廃校フェス、ぐるぐる回る、廃病院フェス等のイベントにて、教室で授業をしたり、100人でビートルズを演奏したり、プラレールで演奏したりと、ニッチでシュールな企画を次々送り込む。
東日本大震災を期に、直感的に自己表現へと回帰。
日々の鍛錬とライブ活動を繰り返した後、遂に2017年、ソロアーティストとして、待望のファーストアルバムを世に送り込む。
https://twitter.com/isaosekichimney

2017年10月1stアルバム"Document || Statement"をリリース。

Loopdoles / Takayuki Niwano KNS-010


1.Time Home Crime 07:37
2.Minimal Coats 05:49
3.Rock Board Story Field 06:20
4.Sarashina 04:16
5.T1A2 08:23
6.Hyper Bios 07:46
7.Script Orchestra 05:22
8.Ganko ZZ 03:25
9.Multi-Build 05:17
10.Origami Newspaper 05:24
11.Atama & Kodomo 03:40


All composed by Takayuki Niwano


https://niwano.bandcamp.com/album/loopdoles

私の記憶が正しければこれらは私がWindowsマシン((友人が)自作)で制作した最後の作品群である。。
私の記憶が正しければこれらを作ったあとに人生初のAppleマシン(Mac mini)を購入したのである。。


レーベル代表庭野が2009年に制作したソロ未発表曲集を配信限定でリリース。自作の音源やサンプリング、フィールドレコーディング素材などをフリーのサウンドエディターで加工、編集。テープを切り貼りするかの如くミニマル構造に則って組み敷いたループ作品集。偶発的なエフェクト効果を絵の具のように塗り重ねて生成されたループを繰り返し聴取することでミクロ的な音響世界を解体していく。それは例えばインダストリアルからテクノへ、ノイズからエレクトロニカへ、ジャズからヒップホップへの発展段階における音響プレートの蠢きを追体験しているかのようだ。
2017年7月7日Bandcampで配信限定リリース KNS-010 ¥1500


→Takayuki Niwano Bandcamp

KNS Release Information 2017

KNS2017-06-28

KNS-009 Document || Statement / 關伊佐央 - OCT - CD &more
KNS-010 Loopdoles / Takayuki Niwano - JUL - DL only

世の中がどんなにおかしくなってもやっぱり夏は暑い!
世界の終わりは続いてる!努力は必ず報われる!
さて、今年の作品リリース予定が固まって来たのでそろそろご報告いたします。
まずCDリリースはシンガーソングライターの關伊佐央(せきいさお)によるソロアルバムを10月に予定しています。レーベルとしては初めて代表庭野が制作に関わっていない作品のリリースになります。
そして配信限定ですが、代表庭野が2009年にエディット、ループをテーマにフリー波形編集ソフトで制作した未発表音源集を7月にリリースいたします。
品番と発売時期が交錯しておりますが発売決定順にナンバリングしているのでご了承くださいませ。。

PPAPを原典にした新しいギャグ - 川越ニューサウンドの2016年

ついにピコ太郎がAppleMusicのCMに器用されました
2016年は昨年までの未解決案件がついに水面にまで浮上しこれらをどう処理したものか
皆がそれぞれ頭を抱え腕組みをしてどうにも動けない状態のまま過ぎ去って行きました
メディアはどうでもいいタレントのスキャンダルをこれでもかとスクープすることでそれらの案件を棚上げしドラッグの使用という公的な問題と不倫という極個人的な問題を同等の罪として扱いタレントがタレントであることに恐怖を覚え創作を二の次に考えまず身の回りをクリーンにすることに躍起になるという事態にまで及んでいます
ですがそれを有り難がって享受してしまう私たちも考えを改めるべきなのです
テレビ番組は相変わらずクイズ番組と雑学番組が人気を博していますがそれと同じくらい良く目にするのが芸能人のプライベートや遍歴を取材する類いの番組です
私たちは脚光を浴びているタレントやクリエイターがどのような人生を送って今に至るのかをまざまざと見せつけられ笑ったり悲しんだり同調するのです
そうすることでいくらか遠い存在だった芸能人というものを身近に感じるという錯覚に陥るのです
ああいった番組で取り上げられるタレントやクリエイターは人並み外れた努力家でありそれを見せられている私たちには到底手の届かない極地へ登り詰めたほんの一握りの人間であることを忘れてはなりません
あれらの番組はその格差を擬似的にでも縮めようとする目論見でつくられているのです
そうすることで有名人を多くの一般人が支えることで栄え続ける芸能界という図式を確立させようとしているのです
私たちは彼らを直接支えていません
支えているのはスポンサーです
私たちはより多くのスポンサーを獲得する為の材料として用いられる数字に過ぎません
いやその数字さえも限られた人に制御され私たちはその統計に加えられているだけです
私たちの1票には決して尊重されるような価値はありません
それは大した考えも持たずに選挙に赴いて軽々しくその1票をよく素性の分からない人間に投じてしまうのと似たようなものです
テレビや政治家にとって最も大事なのはそこに投じられる資本なのです
その他のバラエティ番組を見ていてもあまり関心できないやり取りが多く見られました
それは私が培ってきたテレビのセオリーと今のテレビのセオリーが違うからだと思っていましたがどうやらそれだけが理由ではないようです
そこに出演しているタレントも裏方の制作陣も口を開けばネットが炎上しただのSNSのフォロー数が多いだの少ないだのなんの論証も出来ないインターネットという疑似メディアの情報を推奨し番組中にリアルタイムでその情報を画面に表示したり下手をすると前回の放送後のネット上の反応を次回の放送で話題にしそこにある程度時間を費やすとその反応に対する反応に更にネットが反応するという堂々巡りを目の当たりにもしました
こういった受け手の反応を考慮した末に捻り出された言葉は間違った共有という概念を植え付けられて育った私たちに可もなく不可もなくが一番妥当なのだという奇妙な価値観の形成を促しその壇上にいる人間がジェンダー問題を抱えていようとも外国人と日本人の間に生まれた混血児であろうともそれらはあらかじめアイデンティティを無視した状態でありながら個性として受け入れるという矛盾を孕んだ空洞社会の縮図でありしかしその個性とはその者のオリジナリティではなく分類するための種類くらいにしか思っていない私たちはそれをさもありなんと受け流す事なかれ主義に徹するしかないのです
このような事態はテレビの世界だけでおこっているわけではありません
政治や経済の世界でもそして芸術の世界でも似たようなことがおこっていると言えるでしょう
つまりは今まで作り上げてきたものの価値を下げること無く現代社会にも存続させたいという近代社会の幻想から抜け出せない現状維持という思惑が浮き彫りになっているのにも関わらず私たちもその恩恵にあずかるしかないのだという妥協がこういった空洞社会の形成に繋がっているのではないでしょうか
もっと言うならばこの不毛時代を生き抜く為に私たちは精神的な魔女狩りを繰り返しているに過ぎないのです
もちろん魔女はそこに存在しません
すべてが幻想で擬似的な存在なのです
魔女とは時にはタレントであり時にはゲームの中の怪物であり時にはSNSを炎上させて有名になったと錯覚する愚か者のことです
それらを私たちはテレビやネットで断罪したと思い込むのです
常に魔女を仕立て上げ磔にし火あぶりにすることで自分たちが犯した小さな罪や不勉強さも一緒に灰にしてしまうというのがその真意です
しかしそれらを裁けるのは不祥事を起した本人かモノを作った作者か罪を犯した犯人です
私たちは誰も裁けないしもちろん自分の罪を他人を裁くことで帳消しにすることも出来ません
その小さな罪が左記に述べた未解決案件と一緒に水面を覆い尽くしているとしたら
もう個だの全だのという仏教的な教えさえ文字通り禅問答にしか聞こえないでしょう
全を敬わない個
個の集まりでしかない全
あろうことかこういった個と全が一流の人間になるノウハウとして認められている節さえ感じられます
損よりも得を
献身さよりも賢さを
精神的な豊かさよりも経済的な儲けを
優しさよりも強さを
常にこれらの後者ばかりを求めることで犠牲にせざるを得ないもの
それは譲り合いの精神です
私が外を歩いていて一番強く感じるのはこの譲り合いの精神の無さです
世界的に見れば日本は街の治安も良く公共施設でのマナーも良い方だとされています
だからといって上を目指さなくても良いということはないしマナーを守れていればいいというものでもありません
年越しのセレモニーの為に渋谷のスクランブル交差点を車両通行止めにしてしまうという判断は賢さと経済的な儲けを優先した
まさに臭い物に蓋の原理に則ったものだと考えざるをえません
そこには譲り合いという精神の欠片も無いのだと悟らなければならないのです
個と全に則って考えれば
損をすることで得をし
献身的になることで賢さを身に付けられ
心が豊かであれば自ずと経済も動きだし
優しさが何よりの強さであると知ることが出来るはずなのです
世界というものの歯車は実に単純です
しかしその歯車も一つ噛み合わないだけで止まってしまうのです
人はもっと単純であるべきなのです
ペンをわざわざ林檎やパイナップルに突き刺す必要はありません
ペン1本でも笑いを生み出すことが可能なのです
これはペンです
かつて荒井注は言いました
彼はこの一言で客席の人々を笑顔にしてしまったのです
そこには彼の真理があったからです
単純で真理をついたものをもっと愛するべきなのです
私たちが今愛しているのは無意味なものです
微妙に複雑でいてそこに何の危険もないとわかるもの
そして様々な観点から考察しても何の意味も成さないもの
そこに真理という深みはありません
だから一時的に普及するに過ぎないのです
たとえばPPAPの原典にThis is a Pen!があるように
40年、50年先にPPAPを原典にした新しいギャグが生まれるでしょうか
様々な情報が行き交うこの世の中で
何が正しいのか何が間違っているのかもわからないこの世の中で
残っていくもの語り継がれていくものがあるということ
それを見極める目を持つことが真理を求めるということなのではないでしょうか
さてこの文章は私にとってあくまで音楽活動の中で書き綴られた作品の一つであります
ここに音楽的な意義が見出せるかどうか
それは聴き手の皆様に委ねるしかありません
我が川越ニューサウンドの2016年の活動は唯一代表庭野のソロアルバムリリースのみでしたが
それと同時にレーベル全作品のAppleMusicでの配信もスタートしました
今年は少しでも多くの人の耳に私たちの作った音楽が届くことを願っております





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HAPPY RENEW EAR 2017 from KAWAGOE NEW SOUNDS AUDIO SOURCE LAB

Takayuki Niwano 庭野孝之


当レーベル代表・運営。
metaphoricでギターを担当。
Takayuki Niwano名義でソロ活動中。
2012年10月 1stアルバム「Surroundly」をリリース。
2014年 2nd「Elektricity」をリリース。
2016年5月 3rd「Beatifically」をリリース。
詳しくはブログのプロフィールをどうぞ。
http://www.hatena.ne.jp/nyaaaaaaano/
※2016.8.11プロフィール,アーティスト写真を更新

<Apple Music配信開始記念>ジャケットデザインで振り返る川越ニューサウンド〜あえて名盤ジャケットと徹底比較してみよう!


metaphoric - confirmed lucky air
プレス盤リリース1作目はmetaphoricの2ndアルバム。デザイナーから図案が送られてきて想起したのは武満徹の図形楽譜(いきなり比較対象が楽譜ですがちゃんとレコジャケに使われております)。盤面の図案と並べるとこの通り。この図形楽譜は武満氏にまつわる展覧会で実物を観ました!杉浦康平との共作だけあってデザイン性も高いのでどうにか入手できないかと長いこと思ってますがこのアルバムのおかげで多少その欲求が中和されました。
武満徹 - 武満徹の音楽1(LP)


metaphoric - initiative sense plans
metaphoricの3rdアルバムは顔ジャケです。ミュージシャンなら一度は作りたい顔ジャケです。ソロ作品じゃないのに自分の顔写真をデザイナーに送りつけ、この顔をメチャクチャにして欲しいとお願いしました。欲を言えば裏ジャケをメンバーの佐々木くんの顔にしたかったです。細かい拘りですが、写真のみでタイトルなど文字は無しにしました。最近ふと部屋に転がっていたこのCDを遠目に見て「あれ?ダンサーインザダークのサントラって持ってたっけ?」と見間違えたのでとりあえず並べてみました。あと私の中で顔ジャケ1位はエイフェックスツインのこの作品で、同じくらい見る度にゾッとするのはマイルスデイビスのTUTUです。
Bjork ‎– Selmasongs
Aphex Twin ‎– ...I Care Because You Do
Miles Davis - TUTU

Takayuki Niwano - Surroundly
代表庭野の1stアルバムはサウンド面も含めプロトタイプ感を出したかったので何か分からないけど何かの表面にしてほしいとデザイナーにお願いしたのを覚えています。未だに何の表面かわかりませんが、三角といえばコレしかないですよね!
Pink Floyd ‎– The Dark Side Of The Moon


DENNIS DENIMS - DENNIS DENIMS
レーベルを続けるにあたってデザインや音の制作などにいろいろな人を巻き込みたいと思っていた所に声をかけてくれたのがsonny+starcutsの堀口氏と佐山氏でした。コンセプトの取り決めやプロダクションもスムーズに進んで気付いたらアルバム一枚分曲が出来上がっていました。私はスタジオや家でギターを弾いてボソボソと歌っていただけなのですが、二人の編集スキルが見事に発揮された希有なサウンドスケープになりました。デザインも彼らつながりの方に依頼。エレクトロニカな感じではなく、サイケ・オルタナな感じでお願いしました。サウンド同様にコラージュ感のある仕上がりでポップさも相俟ったこのジャケットですが、似ている物がありそうで無い!なんというオリジナリティ!ということで見開きでご覧下さい。強いて挙げるならレッドツェッペリンのこのアルバムでしょうか。実はそれ以前に思い出したのがすかんちのベストアルバム。個人的にはすかんちツェッペリン(元ネタ観てびっくり)です。ちなみに私の3大ギタリストはジミーペイジ、ローリー寺西イングヴェイマルムスティーンです。
Led Zeppelin ‎– Led Zeppelin III
すかんち - SWEETS〜BEST COLLECTION

Takayuki Niwano - Elektricity
庭野2ndのテーマは電気。このころ日本のダヴィンチこと平賀源内に興味を持っていてエレキテルの本とか読んでたのでその影響が強いのですが、その辺の話をしてデザイン案を待っていたらこんな分かりやすい絵が送られてきたので思わず柏手を一つ打って即OKしました。よく観ると雷の横にエレキテルらしき箱が飛んでいます。雷ジャケはハードロック界隈に石を投げればいくつかの作品に当たりそうですが、私の中ではこれしか思い浮かびません。ていうかラフを観た瞬間もうコレじゃん!って思いました。ちなみにホワイトノイズはバンド名にノイズと入ってますがイギリスのラジオ局で働くサウンドマニアたちが実験音楽スタジオで夜な夜な作り上げたサイケデリック/ストレンジポップスです。あえぎ声がコラージュされてるあたりモンドミュージックとしても十二分に機能しそうですが、90年代のモンドブームではお見かけしなかったですね。ならば僕はどこでこの作品を見つけたのでしょうか。。
White Noise ‎– An Electric Storm

DENNIS DENIMS - livetourism
デニスデニムスの2ndはこの頃メンバーとして加入したイラストレーター/映像作家でもある高安君が担当しました。素晴らしい森ジャケ!文字のデザインは当時リーダーの堀口氏がファクトリーレコード作品のデザインでも有名なピーター・サヴィルを例に挙げたりして拘ってくれた為、こんなカッコいい感じに仕上がりました。森ジャケも沢山ありそうですが、私が思い出したのはデヴィッドシルヴィアンのこの作品。日本のアニメを代表するあの作品のあのシーンを思い浮かべてしまうので私だけでしょうか。。関係あるのか無いのか、このアルバムには大友良英を始め当時即興シーンで活躍していたミュージシャンが何人か参加しており、ジャケットデザインや使われている絵も日本人の名前がクレジットされています。
David Sylvian ‎– Manafon


リバーシブルデザイン>



Takayuki Niwano - Beatifically
今年の最新作は庭野の3rd。レーベル開設以降初めてジャケットも自分でデザインしました。で、行き着いたのがホワイトアルバム・・これもミュージシャンなら一度は作りたいやつでしょ!ビートルズのそれとは微妙に違うかもしれませんが、白地に文字だけっていうことでこれを差し置いては語れません!レーベルのカタログ的にも黒が続いたので今回は白かなと。近いジャンルの白ジャケも数点並べておきましょう。白でシンプルにした反動でCDは全部を裏返すとカラフルになるリバーシブルジャケット仕様となっております。裏ジャケの素材は左から、家にあったフライパンの裏の柄、個人的に収集している印刷所の試し刷りらしき紙、ファッション誌の写真を切り抜いて繋ぎ合わせたコラージュです。
The Beatles ‎– The Beatles
The Future Sound Of London‎ – ISDN
Ryoji Ikeda ‎– +/-
Hecker ‎– Articulacao

川越ニューサウンド全作品AppleMusicで配信開始記念〜せっかくだからアーティスト別に振り返ってみよう!

今年も無事新作をリリース、同時に今までの作品を含めてAppleMusicでの配信も開始しました。ということでここで改めて過去作品を紹介させていただきたいと思います(アーティスト名をクリックするとAppleMusicのアーティストページにアクセス出来ます)。


metaphoric
CONFIRMED LUCKY AIRinitiative sense plans
confirmed lucky air (2010)
initiative sense plans (2011)
現在カセットレーベルzootapesを主催している佐々木秀典がグループでのスタジオセッションを録音しそれらの音源を使って編集、再構築を行った1作目(厳密にはセカンドアルバム)。それに感銘を受け、その後に佐々木が録音した様々な素材を使って庭野が編集した2作目。両者に共通するのは即興セッションを素材としていることと、それらをDAW上で編集しているという点。どちらも90年代〜ゼロ年代初期に影響を受けた作品でありながら、佐々木はドローン的なアプローチの音響作品、庭野はテクノ、ポストロックなどのビートを強調した作品であり、それぞれの遍歴が総括されたような対照的なサウンドになっている。


Takayuki Niwano
SURROUNDLYELEKTRICITY
Surroundly (2012)
Elektricity (2014)
Beatifically (2016)
metaphoricの活動を一区切りしそれぞれの活動に移っていく。音楽的なネットワークを広げながらアンダーグラウンドシーンを形成しようと精力的にイベント企画や制作、他アーティストのバックアップなどに取り組む佐々木、それらの一部を共同で企画、参加しながらも庭野はレーベルの運営に力を注いでいく。年に一枚アルバムをリリースするという公約を打ち自身の制作環境を整えながらアルバムを想定した曲作りを始めmetapphoric2作目の翌年に初のソロアルバムをリリース。DAW環境での制作ベースでありながらもそのセオリーには囚われない発想、90年代の影響下から脱却し次世代へつながるような音響作りを目指し、既存のダンスビートを解体したような奔放なエレクトロアコースティックを志向したサウンドが一部で評価を受ける。その後1stで構築した制作ベースを発展させバグやエラーなどを誘発させるグリッチ・ノイズを独自の解釈で制御しハーモニーやリズムを展開させた2nd、さらに解釈を飛躍させグリッチや電子音そのものを解放させるというコンセプトを音像化させた3rdの三部作リリースに至る。


DENNIS DENIMS
DENNIS DENIMSLIVETOURISM
DENNIS DENIMS (2013)
livetourism (2015)
庭野の3枚のソロアルバムリリースの間の年に2枚のアルバムを制作したこのグループはmetaphoric活動期にライブイベントで出会ったsonny+starcutsという電子音響ユニットと庭野によるトリオ編成から後に映像作家で音楽家でもある高安恭ノ介が加入し四人編成となった。左記ユニットのメンバー堀口の指揮(ほぼ全編に渡りミックス、編集を担当)により氏の音楽遍歴が伺えるアメリカンルーツやアシッドムーブメント以降の音響シーンなどが混じり合った無国籍なコラージュサウンドが展開された。


Taylor Deupree
ニューヨークで電子音響レーベル12kをオーガナイズ、90年代から先進電子音楽を牽引してきたアーティスト。99年に氏がコンパイルしたコンピレーションアルバムmicroscopic soundで電子音響シーンを更新したことは記憶に新しい。近年では坂本龍一とのライブセッションやコラボ作品リリースなどかねてから日本の音楽シーンとの繋がりも深いデュプリー氏は当レーベルのほぼ全作品のマスタリングを手がけている(metaphoric”initiative sense plans”のみcorey fullerだが、彼もデュプリー氏と繋がりのあるアーティストで12kから作品もリリースしている)。
※当レーベルのアーティストではありません。